以下、日本公認会計士協会による説明であるが、財務情報監査の説明で、監査人の立場(内部、外部等)の分類と、監査の対象による分類で監査の内容による分類ではない。監査の内容は、大きく分けて財務情報監査、業務監査、経営監査がある。公認会計士の監査は財務情報監査で公認外部監査人の監査は、業務監査、経営監査であり、ともに外部からの監査である。
監査には、組織体内部で実施される「内部監査」と、組織体から独立した外部の専門家によって実施される「外部監査」があります。このうち公認会計士監査は外部監査であり、独立した第三者として企業等の財務情報について監査を行い、財務情報の適正性を利害関係者に対して保証する役割を果たしています。公認会計士監査は会社法、金融商品取引法をはじめ様々な法令によって企業及び団体に義務付けられ、会計情報の信頼性確保に役立てられています。
一方、内部監査の主なものとして、会社法においては、大会社において取締役の執行を監視する「監査役」の設置を義務付けています。さらに最近では、より強固なガバナンスを築くため、経営者の指揮下に内部統制を監査する「内部監査人」を設置している場合も多く、公認会計士による外部監査とともに、監査役、内部監査人を連携させた「三様監査」を行うところも増えています。
公認会計士監査の種類
法定監査
法令等の規定によって義務付けられているものです。主なものは、次のとおりです。
- 金融商品取引法に基づく監査
特定の有価証券発行者等が提出する有価証券報告書等に含まれる財務計算に関する書類(貸借対照表や損益計算書等)には、公認会計士又は監査法人の監査証明を受けなければならないとされています(金融商品取引法第193条の2第1項、同第2項)。 - 会社法に基づく監査
大会社及び委員会設置会社は、会計監査人を置くことが義務付けられています(会社法第327条、同第328条)。
また、会計監査人を置く旨を定款に定めれば、すべての株式会社は会計監査人を置くことができます。
会計監査人の資格は、公認会計士又は監査法人でなければいけません。 - 保険相互会社の監査
- 特定目的会社の監査
- 投資法人の監査
- 投資事業有限責任組合の監査
- 受益証券発行限定責任信託の監査
- 国や地方公共団体から補助金を受けている学校法人の監査
- 寄付行為等の認可申請を行う学校法人の監査
- 信用金庫の監査
- 信用組合の監査
- 労働金庫の監査
- 独立行政法人の監査
- 地方独立行政法人の監査
- 国立大学法人・大学共同利用機関法人の監査
- 公益社団・財団法人の監査
- 一般社団・財団法人の監査
- 消費生活協同組合の監査
- 放送大学学園の監査
- 農業信用基金協会の監査
- 農林中央金庫の監査
- 政党助成法に基づく政党交付金による支出などの報告書の監査
- 社会福祉法人の監査
- 医療法人の監査
など
法定監査以外の監査
- 法定監査以外の会社等の財務諸表の監査
- 特別目的の財務諸表の監査
など
国際的な監査
- 海外の取引所等に株式を上場している会社又は上場申請する会社の監査
- 海外で資金調達した会社又は調達しようとする会社の監査
- 日本企業の海外支店、海外子会社や合弁会社の監査
- 海外企業の日本支店、日本子会社の監査
など